Epilogue





 次にジュンタが目を覚ましたのは、二日も後のことだった。


 目覚めたあとも、身体は筋肉痛でまったく動かなかった。

触れられれば死ぬほど痛いし、話によると後数日は経たないと動けるようにはならないとのこと。


 使徒だとバラしたお陰で、エットーの街の領主宅で最高の看病を受けてはいたが、この苦しみがまだ続くのだと知って、少し泣きたい気分である。


 やはりあんな戦い方をした所為か、色々と身体はボロボロらしい。治療をしてくれた医師や魔法使いの話だと、死んでいない方がおかしいくらいなのだとか。やはり腐っても使徒だということか。ちょっと人間離れした自分の身体が怖い。

 しかしながら、それが生き延びられた理由なら、感謝をすべきなのだろう。


 だが同時に、あんな戦いはもう懲り懲りだとも、ジュンタは思っていた。いやぁ、だけどあの戦いにもきっと得るものはあったはずさ。いやっほー!!


「何を考えているかはよく分からんが、傍目から見れば現実逃避しているようにしか見えないぞ?」


「黙れサネアツ。その通りなんだから、お願いだからそっとしておいてくれ」


 用意された大きくて豪奢な部屋に置かれた、眼に痛いほど無駄な装飾の激しい天蓋付き巨大ベッドの上、ジュンタは顔を真っ赤にして寝転んでいた。


 枕元にはサネアツが丸くなっていて、傍らの椅子にはクーがニコニコ顔で座っている。

 クーの格好は、ベアル教のアジトから発掘された以前と同じ服装だ。帽子も健在である。

クーはうずうずと落ち着きのない様子を見せていて、自分の隣に机を持ってきて、その上にあらゆる看病道具を用意して、指示を待っていた。

 氷枕に、洗面容器に入った冷たい水とタオル。逆に暖かい、汗を流すための濡れタオルと温かいお湯が入った容器。聴診器や体温計。さらには良く分からない器具までもが、整理整頓されて置かれている。

 自分が倒れた後、クーも同じように気を失ってしまったらしい。まぁ、あの状態じゃあ、仕方ないだろう。衰弱だけだったので、今はもうかなり回復しているが。


 サネアツがグストの村にいた騎士を呼んできてくれて、保護された後、このエットーの街の領主宅へとジュンタは運ばれた。


 捕まえたグリアーは、そのまま聖地の聖殿騎士団に引き渡されるらしいとのこと。
 
 全ての問題は解決して、あとはのんびりと療養生活…………だったなら、ここまで羞恥に悶えたりはしない。思わず現実逃避したりはしない。

 そう、ここまで恥ずかしい理由は、他でもないクーにあった。

「ご主人様、どこか痒かったりする場所はありませんか?」

「いや、大丈夫。大丈夫だよ、クー」

 ジュンタの状態は、筋肉痛もろもろでまったく身体が動かないという案配。つまりは、何をするにも自分だけの力じゃできないということだ。

ということはつまり…………後は推して知るべし。
 以前大けがをしたときよりも、さらなる羞恥プレイの連発だったとだけ言っておく。

基本は医師や治療ができる魔法使いがしてくれたのだが、その上でクーが嬉々として看病に当たってくれた。

汗を拭くぐらいなら、いい。ジュンタも許した。けどそれ以上は勘弁だった。

一期一会の他人ならともかく、これから一緒に旅する仲間からの羞恥プレイは嫌。そう思って、期待の眼差しを向けるクーから、一日耐えた。


 次の日――断る度に笑顔で落ち込むクーを見て、つい少し許してしまったのが先程のこと。
 
 
嬉々としてやるくせに、普通に恥ずかしがるのは最悪です…………心に深い傷を負ったジュンタは、他のことを考えて気を紛らわせるしかないのだった。


「ご主人様。他に何かして欲しいことはありませんか? 私、なんでもします。なんでも言いつけてください」

「どうしてだろ? 嬉しい台詞のはずなのに涙が出てくるのは?」


「この年齢で新たなトラウマを植え付けるとは……やるな。さすがはジュンタの巫女に選ばれただけのことはある」


 窓から見える夕日が眩しいぜ。

 ジュンタはそっと涙を拭い、これ以上クーを見ていたら本格的にトラウマになると思い、悲しませないようにやんわりと追加の申し出を断る。その上で、一時的に部屋から退室して貰える方法はないかと考える。

(クーも弱っているはずなのに、一日俺の看病してるからな。ここらで無理矢理にでも休ませないと……そう、あくまでもクーのために!)


 クー曰く、楽しんでやっていることですからという話だが、それでも無理良くない。全然良くないっ。


(何か、何かないのか! クーが落ち込まずに部屋を退室するスペシャルアイテムは?!)

 ジュンタは辺りを見回す。テーブルの上に置かれた、温かいお湯が入った洗面容器が目に付いた。


「そうだ、クー。もう夕方だし、お風呂に入ってきたらどうだ? いつでも使えて、しかもかなり大きな風呂があるんだろ?」

「あ、すみません。汗くさかったですか?」

「いや、変に取らなくていいから。言葉通りの意味だ。疲れを取ってきなってこと」


 申し訳ないと椅子ごと身体を離すクーに苦笑しながらそう告げると、彼女は少し渋ってみせた。


「でも、それではご主人様のお世話ができません」

「いや、自分の世話ぐらい自分で……は無理だけど、サネアツに手伝って貰うから。な? サネアツ」

「俺としては、もう少し羞恥に悶えるジュンタの姿を見――


「三味線が武器って格好良くないか?」

 脅しを多分に込めて、ジュンタはサネアツに、自分でも惚れ惚れするぐらいいい笑顔を突きつける。


 サネアツはふっと笑って視線を背け、


「クーヴェルシェン。ジュンタのことは俺に任せておけ。万事抜かりなく世話をしてやろう」

「ですが……」

 まだお世話をすることに未練のあるクーに、ちょっと震えつつサネアツが近付いていく。いやだなぁ。サネアツは小さいから、今はまだ剥ぐ気はないのに。


「どうかしましたか、サネアツさん?」

「いや、少し誤解をしているように思えたのでな。それを解き、アドバイスをしてやろう」


「アドバイス、ですか?」

 サネアツはクーの耳元へと口を近付けると、小さな声でボソボソしゃべり始める。

 ジュンタには話の断片しか聞こえてこなかったが、『風呂に入れという言葉の真の意味』とか『求めに応じる』とか、よく分からない単語が微かに聞こえてくる。そして、サネアツが内緒話を進めるほどに、クーの顔は真っ赤になっていった。

 しばらくして、サネアツが口をクーの耳から離す。
 そのときにはクーの長い耳は真っ赤になっていて、ピクピクと意味深に動いていた。


「分かったか? つまりはそういうことなのだよ。さっきのジュンタの言葉はな」


「そ、そそそそうなんですか!? あ、あぅぅうう……」

 チラチラとクーはジュンタを見て、首まで顔を真っ赤に染める。そして、グッと握り拳を握るといきなり立ち上がる。


「わ、分かりましたっ。私、お、お風呂に入って身体磨いてきますっ!」

そんな捨て台詞を残して、一体どんなことを言われたのか分からないが、クーは脱兎の如く部屋を飛び出していった。

 彼女が帰ってきた時が異様に怖い気がするジュンタだが、後のことは後に考えることにして、取りあえず一息つく。


「やれやれ、なかなかに愉快な子のようだな。ジュンタの巫女は」

「お前は一体何を吹き込んだんだよ? あんまりクーに変なこと教えるなよ。ただでさえ、お前と一緒なのは情操教育に悪いんだから」

 枕の横へと戻ってくるサネアツに、ジュンタは釘を刺しておく。


 サネアツは心外だという顔をするも、すぐに表情を変化させる。『そう言えば』と前置きをして、


「思えば、こうして二人でゆっくりと話せる状況になったのは、再会してから初めだな」


「ん? そう言えばそうだな。ずっとクーがいたし、色々忙しかったし」


 まるで空気のように一緒にいることが当然に感じられて、やはり当然のように近くにいたサネアツ。
あまりに自然に接せられていたので、ちゃんとした再会のあいさつさえしていないことを、今の今まで忘れていた。

 一応はけじめなので、ジュンタはサネアツへと改めて顔を向け直す。


「じゃあ、改めて――久しぶりだな、サネアツ」


「ああ、改めて――久しぶりだ、ジュンタ」


 サネアツも視線をジュンタに向けて、笑顔で口を開いた。

白い小猫の姿は、別れた時の姿とまるっきり一緒で、交わす言葉もあの時の続きのよう。ちゃんとした再会のあいさつを経て、本当にあの日の続きが始まったのだ。


(半年ぶり、か。俺からしたら十数日ぶりぐらいなんだけどな)

 どうやら異世界間を渡る際、時間の流れに齟齬が生まれていたらしい。

 自分にとっての再会の時間と、サネアツにとっての再会の時間は違うようだ。

 長く会えなかった時期を考えると、サネアツの方が感慨深いものがあるだろう。しかしそれを感じさせず、再会の言葉も少なくて済むのが二人の間柄だった。

(そうだ。あのことも話しておいた方がいいか)


 向こうの実篤は知っているが、このサネアツは自分がここにいる理由を知らない。大体の察しはついているだろうが、それでも自分の口から話した方がいい。

「サネアツ。俺、全部知ったぞ。俺がいる意味とか、サネアツがいる意味とか。たぶん全部な」

 

「そうか。ジュンタは観鞘市に戻ってたのか……向こうの俺は、お前の助けになったか?」


「ああ、しっかりと。リトルマザー共々、色々と世話してくれたよ」


「ほほぅ、我が露出癖ある聖猊下もか」

 故郷のことを思い出して、ジュンタと、そしてサネアツも少ししんみりとした空気を流す。二人とも、ある意味ではまったく同じ状況下にあった。つまり、もう故郷に帰れないという状況下に。


「ジュンタは、故郷を離れたことを後悔していないのか?」

「してない……とは言えないな。またあの街に行けたら嬉しいと思うし、行ってみたいとも思う。
 でも後悔を思い出に変えるために、俺はこの世界で生きていく――そう決めてこっちに来た。サネアツこそ、俺の所為で故郷から離れて寂しいとかは?」

「俺もないとは言えん。父や母のことを思い出すことはあるし、向こうの世界にしかない娯楽や食べ物を思い懐かしむこともあった。特にジュンタがいない半年の間は、な。

だが、俺にも後悔はない。半年この世界で生きて、それでもまだなおこの世界は広い。これほどに、男心をくすぐることはないだろう?」

「まぁ、それは同意だな。俺もそう思うところがあって、あっちの世界より、こっちの世界を選んだんだから」


 まだ誰も見たことがない場所や風景。
観鞘市にいたら決して見えなかったはずの光景。そして、出会えなかった人たちが此処にはいる。

思い悩むことは、この先ほとんどなくなるだろう。あの時、故郷から離れたとき、全てを覚悟してやってきたのだから。

新たな故郷になるかも知れない場所が、この広い新天地にはあるかも知れない。

家族と呼べる人が、この見果てぬ世界にはいるかも知れない。


 親友と呼んだ人は、変わらず傍にいてくれる…………なら、今更思い悩むことはない。

今回、グストの村のために、クーを守るために戦ったことに後悔はないように、今更自分の命と天秤にして惜しいと思うこともない。この先も、やりたいと思うことをやればいいだけだ。その自由がこの世界にはある。サクラ・ジュンタには、ある。


「……いい旅を、か」

 ふと、ジュンタはそんな見送りの言葉を思い出す。


「なんだそれは?」


「向こうのお前からの見送りの台詞だ……いや、その通りだなって思ってさ。俺は旅に出たんだ。あの場所から、この場所へと。何かを求めてな」


「なるほど、さすがは俺だな。いいことを言う。

未来は知らず、だからこそおもしろい。これから何があるか、本当に楽しみだな。ジュンタ」

 猫になっても変わらないニヒルな笑みで、サネアツは言う。


 いつだって、そう言ってとんでもないことに誘ってくるサネアツの言葉に、

「ああ、本当に。楽しみだ」

 いつだって、苦笑してジュンタは同意をするのだ。



――――た、大変ですっ! ご主人様!!」



 そんな仲間同士の会話に引かれるように、クーが扉を開いてやってきた。

「クー、どうし――ってうおっ?!」


 今日何度目の叫びか、ジュンタはクーを見て叫び声を上げる。ついで激痛が身体に走る。


「うむ。少しの間部屋を出て行って貰うための方便だったのだがな。実際に実行に移すとは……ふっ、どうやら俺は君のことを侮っていたようだ、クーヴェシェン・リアーシラミリィ。さすがはジュンタと魂レベルで繋がっている巫女だはぶぅっ!」

「いつまでジロジロ見てるんだ、お前は」


 ジュンタは筋肉痛を封殺してまでサネアツを成敗した枕を、ベッドの上に投げ置いてから、ポタポタと髪から水滴を垂らしているクーを見やる。

 お風呂に入っていた彼女の肌は上気していて、急いで走ってきたのか、息も少し荒い。

 しっとりとした髪は長く垂らされ、幼い肢体を包んでいるのは、白いバスタオルが一枚。しかも手で押さえているわけではないと、かなり危険な状態だ。


「大変なんです、ご主人様っ! 私、大事なことを伝えるのを忘れてました!」


「ああ、分かった。大変なのはよくよく分かってるから、その格好でそんなに勢いよく謝らなくて良いから。頭下げない! 下がる! 落ちる!」

「はい?」


 動けないから、手の平で眼を覆うこともできない……ということにしておきたい。

 マジマジと見てしまったジュンタの視線で、自分の姿が裸にバスタオル一枚と気付いたクーが、小さく悲鳴をあげて近くにあった毛布を掴んで身体を隠した。

「そ、それで? どうしたんだ? クー、忘れてたことって?」


 ようやく普通に見ることができる格好になったクーを見て、ジュンタは尋ねる。

「あ、はい。実は……すみませんでした。巫女として最も重要な責務だったというのに、私、伝えることを忘れてました」

「巫女として最も重要な責務というと、オラクルか?」


 濡れた髪を頬に貼り付けて、恥ずかしそうに、申し訳なさそうに謝ったクーの言葉に反応したのはサネアツだった。


 クーはサネアツに頷いて見せると、両手を組んで、祈るように目を閉じる。

「使徒ジュンタ・サクラ聖猊下。第二のオラクル『陸空の王への名乗り』の完了を受領しました。そして第三のオラクル――『雌雄決す場にて頂に立つ』の開始のお告げを賜りました」

「いつの間に俺は、第二のオラクルをクリアしてたんだ?」


「えと、ご主人様は以前ワイバーンを倒されたことはありませんでしたか?」


 瞼を開いたクーが、そう訊いてくる。


 ジュンタは一度サネアツと顔を見合わせてから、首を縦に振った。


「ああ、あるぞ。サネアツと協力して、前に一匹」


「それはすごいです……とすみません。それでご主人様はオーガも倒しましたよね?」

 その問い掛けにも、ジュンタは頷く。


「でしたら、
ご主人様は第二のオラクルをクリアしていますよ。ワイバーンは空の王者。オーガは陸の王者と呼ばれる魔獣ですから」

「なるほど……それで、巫女であるクーにはオラクルの終了と、次のオラクルの託宣があったってわけか」


 自分の認識外で、いつの間にか新人類へと至る法――オラクルの二番目をクリアしていた。
 そのことに薄ら寒いものを感じつつも、クーの尊敬の眼差しを感じ、まぁいいかとジュンタは納得する。


(まぁ、次のオラクルをやらなきゃいいわけだしな)


 そうジュンタは考えたが、続くクーの言葉に瞬く間に考えを改めることになってしまった。


「それで、三番目のオラクル『雌雄決す場にて頂に立つ』ことなんですが」

「普通に考えれば、武術とか競う大会で優勝すればいいってことだよな? 言うのは簡単だけど、実際に優勝するとなるとかなり難しいよな」

 これは無理だな。よしっ、諦めよう――そう言葉を続けようとしたジュンタに対し、勢いよくクーが詰め寄る。

「大丈夫です! ご主人様なら絶対に優勝できます! 楽勝です! 完勝です!」


「え? いや、俺はね。クー――

「分かってます。優しいご主人様は人を傷つけることに抵抗があるんですね。でも安心してください。ご主人様だけに辛い思いはさせません! 不肖、私クーヴェルシェン・リアーシラミリィ。命を賭して協力させて頂く所存でありますっ!」


「いやいや、命を賭けちゃいけないから。というか俺は……」


 ジュンタは、キラキラとした眼差しを向けてくるクーを見た。

 その瞳からは、絶対に優勝できるという確信がひしひしと伝わってくる。視線を逸らして、ちょっと考えてみる。

(…………試しに大会で出るのも、まぁいいかなぁ〜)


 純粋に信じてくれている少女の願いを踏みにじるのは、あまりにかわいそう過ぎる。この期待の眼差しを裏切るなんてことできない。

 クーは自分の巫女としてはある意味最高で――――ある意味最悪らしい。

 ジュンタは視線をクーに戻し、ちょっぴり引き攣った笑みを作った。


「ほ、ほどほどにがんばろうか?」

「はい、ほどほどにがんばりますっ」


 見つめ合って、互いに微妙に想いが擦れ違った笑みを浮かべている主従を見て、サネアツが小さく笑う。


「まぁ、やるならやるで俺は良いがな。このオラクルの内容からすると、武術の大会ならどれでもいいのだろう。今の時期からすると一番早い大会は……クーヴェルシェン。分かるか?」


「そうですね、ちょうどグラスベルト王国の王都レンジャールで武競祭があるはずです。あまり開催まで時間はありませんが、この街からもそれなりに近いので、十分間に合うと思いますよ」

 いつの間にか完全に出場する方向で話が進んでいる……別にいいんだけど。


(王都レンジャールか。確かリオンの住んでるランカにも近かったよな)


 やはり初めて行く場所に、ジュンタは思いを巡らせる。


 武競祭――そこでは一体どんなことが待ち受けているのだろうかと、少しだけ楽しみに思う。

 ……何か、予感があったのかもしれない。


 クーと縁があったように、また、そこにも結ばれた縁があるかのように、ジュンタには思えた。
 同時に、きっと厄介ごとも舞い込んでくる気がヒシヒシとしたが、それもまぁ、楽しみと言えば楽しみとしておいてもいい

「じゃあ、次の旅の目的地は決まったな」


 ジュンタの言葉に、三人は頷き合う。


「王都レンジャールに」

 サネアツが目的地を言い、


「武競祭で優勝するために」


 クーが目的を述べて、


「この三人で、のんびりまったり行きますか」


 最後にジュンタが、そんな気が抜けるような言葉で旅立つことを決定した。

 誰も彼もが、嬉しそうに、楽しそうに、期待に胸輝かせた笑顔だった。






旅の途中で仲間を見つけて、ここからまた旅に出る。

それは春の空を泳ぐ雲のように――行く先を知らぬ旅人たちが求めた、旅の始まりであった。










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